これまで、数十年にわたり数100を超える企業の組織に触れてきた。
オーナー系の比較的小規模の会社で全社員一丸となっているところもあった。
大企業で安定したオペレーションを誇る組織や新たな挑戦をしている組織もあった。
組織は人が担っている。人の熱量やその向きに応じて、組織力は大きく変動する。
新規事業や新たな取り組みと、既存事業はよく「水と油の関係」と捉えられる。
既存事業の柱を守ることが何より大事で、悪い影響を与えるものは近づけたくないといった感じだ。
でも昨日は、「ステレオタイプにこれが一般的である」と考えていた自分に気付かされた。
既存事業の中にも、きらりと輝く新たな取り組みがあることを実感したのだ。
既存事業の中で進めることでこそ、新たな芽を育むことができるという考え方だ。
組織のパーパスがしっかりと共有され、そこに向かう取り組みであれば疑問なく進めている。
この組織は、既に効率化が最優先課題ではなく、パーパスの実現に重点を置いているのだ。
その結果、組織の構成員の中に、創意工夫を始める人が生まれているという訳だ。
既存事業でしっかりと収益を上げているからこそ、新たな取り組みに投資できる。
自分の取り組みと同様に、パーパスへの貢献となるので、その取り組みへの投資に異論はない。
会社の中の一組織であるにも関わらず、パーパス経営が見事に実践されている。
もちろん、活動総量やスピードを上げることはできるとは思うが、会社全体の大きな推進力になる。
会社を見渡すと、この組織のような大きな光とは言わないまでも、小さな光はたくさん見つかる。
自らの志を掲げて、そこに妥協することなく突き進んでいる人が何人もいるのに気づく。
今は、孤軍奮闘でも、それらを繋いでいけば、光が増幅していくと思う。個人がグループになる。
グループ同士もつながり、次第に企業全体に波及する。日本らしいパーパスの作り方かもしれない。