挨拶の意味

小学校の頃、異常なまでの元気さで挨拶をしていたのを思い出す。
友達のだれよりも精一杯の大きな声で、至る所で挨拶をしていたと思う。
もしかしたら、挨拶で自分の元気度を測っていたのかもしれない。
でも、振り返ってみると、挨拶がその場の活気を高めていたのは間違いない。

昔は知らない人にも挨拶をしていたような気がする。通学路ですれ違う人だ。
何回か挨拶するうちに、いつの間にか顔見知りになる。でも名前は知らない。
中学校くらいから次第に知っている人とだけ挨拶するようになっていった。
知らない人とは、会釈での挨拶だ。要は声が出なくなった。場の明るさは大きく違う。

大学生になると、サークル活動で再び大きな声で挨拶をするようになった。
「元気出していこーぜ」みたいなノリで、挨拶が日常だった。バイトも同じだった。
肉体労働は疲れる。互いに声をかけながらやらないととてもじゃないが続かなかった。
とはいえ、やはり知っている人、仕事を一緒にする人とだけの挨拶だったと思う。

社会人になってもだいたい同じだ。コンサルティング会社は確実にサービス業だ。
如何にクライアントにきづきを持ってもらい、やるべきことに邁進してもらうかが勝負だ。
挨拶でとにかく場を盛り上げた。いつも元気だねー、と声をかけられることに努めた。
決してコンサルティングの内容が無かったとは思わない。でも気持ちはとても大事にした。

最近になって、少しだけ小学校の頃の感覚が戻る時がある。たまに知らない人にも声をかける。
2つの変化がある。1つ目はコミュニティだ。地域を盛り上げたいという気持ちだと思う。
そこに住んでいる人と繋がろうとする意志だ。2つ目はまだあまりないが、心と頭の余裕だ。
常に考え事をしていた自分から、場を感じられる自分に少しずつなっている。いい変化だと思う。