ものづくり

小さな頃は、科学技術館というところに通っていた。電子工作など色々楽しんだ。
抵抗やトランジスタ、ダイオード、ブザーなど、はんだごてを使って基盤に取り付けた。
電池を入れて、音が鳴る、光る。この瞬間がなんとも楽しいものだった。
最初は教えてもらった通りにやるだけで満足したが、だんだんアレンジを始めていた。

発光ダイオードの色を変えたり、3つ付けて信号機にしたり。まずはその辺りから。
作ってみると、3つとも同時に光る「信号とはかけ離れたもの」ができた。悩んだ。
順番に光るようにするにはどうしたらいいか、光っている時間を調整するにはどうするか。
黄色は短いし、赤と青は同じ長さでいいのか。まちの信号機を観察したくもなった。

あ、音も鳴る。青の時間は安心感のある音、青点滅もあった。その時の音は急げの音だ。
どこで諦めたか忘れたが、その当時は信号が完成しなかった気がする。でも楽しかった。
今ならノーコード、ローコードでそのくらいできそうだ。電子工作も最低限で済むと思う。
レゴなどを使えば街並みも再現できる。色別の時間や音楽なども選び放題だと思う。

話は変わるが、京都の信号では、南北は「ぴよ」、東西は「かっこー」と方向によって音が異なる。
さらに、一方の信号機からは「ぴよ」、もう一方の信号機からは「ぴよぴよ」と交互になっている。
異種鳴き交わし方式というらしい。視覚障害の方の安全を守るためのものだという。
素晴らしい工夫だ。これなら、自分がどっちを向いているか、横断歩道のどの辺りにいるかがわかる。

ものづくりは、自分の思い描いた機能を、自分で組み立てて実現できるととても嬉しい。
でも、京都の信号機のように、そうした機能が「人の安全な暮らし」に役立つとなりより嬉しい。
こんな社会を作りたい。こうしたらみんなに優しい社会になる。こんな構想でもっと対話をしたい。
そうすれば、どんどんものづくりをしたくなる。世界が真似したくなる国、日本にできると思う。