車のいない街と、街と街を繋ぐ車

豊かな街、暮らし易い街を考えると、車との新しい付き合い方の必要性を感じる。
いわゆる国道のような広い道路沿いは、これまでアクセス性がよい場所で賑わっていた。
でも、時速数十キロで走る車と人が交差する状況は本当に暮らし易い状況なのだろうか。
車でパッと移動して、駐車してどんな店にも行けるのは便利だが、何かが違う気がする。

どこか急かされている感じはするし、信号や横断歩道などがあってもどこか危なっかしい。
実際、踏違いの事故やドライバーの突然の体調変化による悲惨な事故なども発生している。
やはり速度帯を設けて、速度帯毎にエリアを分けた移動インフラを作るべきではないだろうか。
例えば、時速10km未満の歩行を中心としたエリアと、歩行がない高速移動ができるエリアだ。

もしかしたら、イメージは巨大ショッピングモールのようなものかもしれない。
ただ、今の街並みを活かしながら歩行や低速モビリティだけで移動できるエリアを作っていく。
エリア内の車道は、全て歩行者天国になる。信号はなくなり、いつでも好きなところを歩ける。
大きな道路だったところはイベントスペースにしても良い。賑わいを生む仕掛けを盛り込む。

低速モビリティは、疲れた時の移動に便利だ。歩行者を自動で避けながら目的地まで連れて行く。
荷物の一時保管や、ベンチでの活用もありだ。お迎えや荷物のお届けのために無人でも動く。
時速10km未満のエリアの外周には幾つかの街間移動のモビリティの発着場がある。
高速移動のできるモビリティがあり、別の街への素早い移動が可能だ。歩車分離は徹底する。

メリハリのある安全な街ができるような気がする。街の景観もかなり良くなると思う。
もちろん、全ての街を突然変えることはできない。特に郊外などはエリアを分けるのは難しい。
でも、繁華街や街の中心部などでは間違いなくやってみる価値のあるコンセプトだと思う。
車の渋滞が日常になっている街でまずは試してみたいと思う。どう進めていくか考えてみる。