供給者になる。

構想を作るとワクワクする。構想を聞くとワクワクする。そして加わりたくなる。
構想が実現された世界に想いを巡らせると、自然と笑みが溢れてくる。
構想により生み出された新たな価値が人々に届いて、人々を笑顔に変えていくからだ。
構想を実現した人は、人々に笑顔を届ける供給者になっているのだと思う。

高度成長期の頃、人々は新しい価値を作ることに夢中だった。意外にもたくさん作れた。
まだまだ世の中に製品やサービスは少なく、発想次第で人々に驚きを生むことができた。
生み出すのに必要な技術や能力はそう多くはなく、一心不乱に励めば、素早く実現できた。
成果が成果を呼び、新しい価値は次々に生まれた。とても良い循環があったと思う。

新しい価値が増えていくと、次第に類似なものが生まれ始め、新鮮さが減少していった。
作ったものが売れない。売るために値段を下げる。そんな取り組みが増えていった。
さらに値段を下げても利益が出せるように、原価を下げる努力を続けていった。
そこにも創意工夫はもちろんあったが、人々に笑顔を生み出す結果は生みにくかった。

コスト削減にはどうしてもスケールが必要だった。大きい企業が強くなっていった。
小さな企業が創意工夫を続けても、大きな企業の低コスト、低価格には及ばなかった。
次第に創意工夫で人々に笑顔を生む取り組みの数が減っていった。笑顔の数も減った。
創意工夫をする供給者の数は減り、いつの間にか消費を楽しむ消費者の比重が増えていった。

消費者であれば、安く良いものが買えるともちろん嬉しい。でも次第に使えるお金が減っていった。
決められた作業をこなす仕事が増えていったからだ。創意工夫がしにくい仕事が増えたからだ。
さあ、このあたりで流れを変えよう。新たな構想をつくり創意工夫をする供給者に戻ろう。
大企業はそうした活動を応援する。そうすれば社会に新たな価値が溢れていくと思う。