仲間を集める

供給者になって新たな価値を届けたい。この想いを実現するには仲間がいる。
届けたい価値の構想を作るとき、色々な能力や機能に触れて使うものを選択した。
それらの能力や機能すべてを自分で担うことはそんなに簡単なことではない。
飲食店のような少人数でできるものでも、決済、宣伝、デザインなど多様な能力がいる。

以前は、自分のできる範囲で頑張る。こんなアプローチでも上手くやり遂げることができた。
でも、美味しい料理という本質的なことだけで、顧客に美味しく食べてもらうことは難しい。
そこに美味しい料理があることを知らせ、その料理を美味しく味わうための空間もいる。
つまり、顧客の食体験をデザインして、本質的な料理の美味しさを引き立てることが大事だ。

最近では食の世界では6次産業という言葉がある。これは仲間集めの典型的な事例だ。
1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業を束ねる。
畑で取れた野菜を、加工して、その材料を使った美味しい料理を作り、食べてもらう。
それぞれの想いを、顔の見える形で料理と共に提供していくことで、体験を増幅していく。

もしこれを一人でやったらどうなるだろうか。料理人は美味しい野菜を作れない。
農家はたくさんの種類の美味しい料理を作れない。食品加工場は料理も野菜作りもできない。
もちろんゼロから始めることはできるが、いつになったら6次産業が完成するだろうか。
つまり、既にいるプロの力を束ねることが重要だ。「ありもの」の組み合わせと言っていい。

自分の持つ能力や機能に、他の人がもつ能力や機能を組み合わせて構想を作る。
日頃から「あの人と一緒にやったら面白そう!」を探して構想づくりに励んでいることが大事だ。
それには、自分とは異なる能力や機能を持つ人に、構想を持って自分から会いにいくことだ。
構想のブラッシュアップ、宣伝、改善などなど。仲間で進めると楽しい。大きな挑戦もできる。