大学時代の友人に久しぶりに会えた。万博記念公園にある博物館で文化を研究している学者だ。
モンゴルを突き詰めているという。もう累計で10年近くも住んだことすらあるプロ中のプロだ。
モンゴルは第二の故郷。ウランバートルの空港に近づくと興奮が抑えられないという。
一気に様々なシーンが蘇ってくるのだろう。生活を通して染み付いた文化が溢れてくるのだろうか。
ありがたいことに、博物館を2時間以上もかけて案内をしてくれた。今までにない贅沢な経験だ。
まず驚いたのは、友人が研究対象のモンゴルどころか、地球の隅々までやたらと詳しいことだ。
アフリカの文化は古くから豊かで素晴らしかった。肥沃な土地の恵みがゆとりにつながったのだろう。
ヨーロッパは豊かさを手に入れることに必死だったのだと思う。焦りもあったのかもしれない。
お面にも驚いたことがあった。世界中で様々なお面が作られていきたが、芸術として素晴らしい。
それだけではない。お面には神様と悪魔を表すものが多いようだが、その2つがとても似ているのだ。
作った本人にはもちろん見分けられるはずだが、クイズコーナーでは見分けることができなかった。
間違えて悪魔を信じてしまったらどうするのだろう。「表裏一体だ!」とでもいいたいのだろうか。
この博物館は暮らしを体感できる色々な工夫があった。なんとなくイケアの店舗が頭に浮かんだ。
イケアでは家具のある生活を団欒、食べる、寝るなどのシーン毎に切り取っているが、そんな感じだ。
それもそのはず、展示物は現地の家ごと、店ごと購入して持ってきたものらしい。実に生々しい。
じーっとみると、国が違うと、時代が違うと、何をとっても工夫の仕方が違うのがわかった。
プロにガイドしてもらいながらの博物館の探索。表層的に見てきたこれまでの博物館体験とは違った。
友人から見ればほんのさわりだとは思うが、今の生活や未来づくりに役立つ本質的な学びがあった。
もし友人がいなければ、学びがある展示だということに気づくことすらなかったような気がする。
伝えることの難しさを改めて実感した。未来を創るための学びをどう届けるか。考えていきたい。