人に優しい、AIに優しい

AIを現場で使いこなすのは結構大変だ。こんな言葉をよく聞く。
学習データを準備して良い塩梅に学習させる。ここが難問らしい。
特に、様々なシチュエーションで同じ学習済みAIを使えるなら頑張る気もでる。
でも、その場所のとある作業にしか使わないAIのニーズも多い。

学習。ティーチング。これはAIに限ったことではない。
人間の場合でも、いわゆる新人研修なるものが存在する。
手取り足取り。まさにゼロからのスタートの場合も多い。
今年はリアルでできない中、リモートでの研修で大変な状態だ。

学習前のAIは人間の場合よりゼロスタートだ。そもそもデータが何も入っていない。
教えなければいけない「人間世界では当たり前の定義」を必要なだけ教えないといけない。
AIは写真の猫を見ても、猫とは認識しない。人間が猫の部分を切り取りみせる必要がある。
様々な色、大きさ、ポーズの猫を沢山みせると学習が進み初めて理解する。

でも、顔だけ見せるパターンと、尻尾だけ見せるパターンを同時に学習するのはつらい。
「猫は顔なのか尻尾なのか」AIが混乱する。そもそも顔とか尻尾の概念も持っていないが。。。
顔、尻尾、後ろ姿、などなど別々に学習済みAIを作るには手数がいる。可能は可能だ。
でも人の顔や手や姿なら色々なシーンで同じAIを使う機会はあるが、猫だとあまりない。

であれば、1つ1つの学習済みAIを作る手間を極小化することを考えたい。
AIの気持ちになり、学習の難易度を下げていく。何を学習して欲しいかを絞る。
まさに手取り足取り、学びやすいように見せ、判断する難しさを可能な限り取り払う。
リモート研修で画面越しに教える時の配慮を10倍にするイメージだ。AIにも優しさが必要だ。