呼び水

ポンプの水が出ない時に使う水。呼び水。
ポンプの上から別の水を入れて、水がくみ出せるようにするための水。
使った水の量より遥かに多い量の水がどんどん出てくる。
ある事を引き出すきっかけを作る時に使うものに広く使われる言葉だ。

ポンプの例では、水で水を呼び込む。
水を加えるだけで、後処理もいらない。実に単純かつ効果的な方法論。
会議などでちょっとした発言が議論の成果を大きく左右する事がある。
それは決して特異なものではなく、単純でスッと共感できる言葉だ。

参加している人にはそれぞれの言い分がある。
特に新しいことをする時には、どんな変化が降ってくるか戦々恐々だ。
多くの場合、変化が不味い方向にいきそうだと反応が早い。
それぞれがそれぞれの立ち位置で部分に反応している。

しばらくすると、議論の大きな目的、達成したいことが見えなくなる。
どの部分を起こさないようにするかの議論にすり替わる。
終いには誰もが分かる大きな課題の対応策だけ前に進む。
それ以外は、「変わらない」というベクトルが強く働いていく。

呼び水は、「みんなが共感できるみんながやりたい本当のこと」だ。
実は挑戦したい人、チームで成し遂げたい人はたくさんいる。
半沢直樹に憧れている。お客さんのため、社会のために働きたい。
みんなが共存共栄できる新たな秩序。でも抽象度が高過ぎる呼び水だ(..)