紅葉。

今更ながらに、「もみじ」は漢字でかくと「紅葉」だと気づいた。「こうよう」とも読む。
「こうよう」は、葉の色が赤くなることを言う。緑が黄色になって赤になるととても美しい。
では「こうよう」するのは「もみじ」だけなのだろうか。そんなことはないはずだ。
調べてみると、「もみじ」はカエデ科で、「カエデ」や「イチョウ」も「こうよう」する。

パソコンで「もみじ」も「カエデ」もタイプすると、同じマークが出てくる。
下半分が黄色でなかなか洒落ている。大したことではないが、少し関心した。
それにしても、京都にいると紅葉をあちらこちらで見ることができる。事務所からもそうだ。
ふと目をやった先に紅葉した木々をみると、改めて京都にいるという実感が湧く。

もう少しすると、落ち葉が増えてくる。石畳などの道路一面に赤色の落ち葉があると風情がある。
着物の人が通るとそれだけで絵になる。思わず写真を撮りたくなる。タイムスリップしたようだ。
最近のスマホは確かに性能がいい。でも、夜のもみじを撮ってみるとなにか美しすぎる気がする。
自分の目で見たより、遥かに鮮明、色鮮やかだ。見たそのままを記録できたらいいのにと思う。

もちろん、何度も一眼レフを買ってみようかと考えるのだが、ふと冷静になって思いとどまってきた。
本当に普段持ち歩くだろうか。年間何枚取るのだろうか。残念だが宝の持ち腐れになりそうだ。
せめて、スマホの使い方を工夫して、思い通りの写真を撮れないかと考えることもある。
でも、上手い人の写真をみると、自分の撮った写真との差に愕然とする。構図から何から全く違う。

結果、紅葉は好きな散歩をしながら見るのが一番ということに落ち着く。所々で止まって堪能する。
写真を撮るのではなく、目に焼き付ける。記憶にしっかりと留めるようにするのが良いことに気づく。
いい空気をゆっくりと吸いながら、冷たい空気の肌ざわりとほのかな香りを楽しむ。
ああ、やっぱりリアルを五感で感じるのが一番だ。紅葉はあと1週間だろうか。たくさん散歩をしたい。