もうかなり昔になるが、クエストという冒険ゲームにはまったことがあった。
画面上の小さなキャラクターを操り、あちらこちらを歩き回る。話しかける。
最初は何も分からない。誰かと話せるたびに、その世界のことがだんだん分かっていく。
歩いていると宝箱も見つかる。なんだか分からないアイテムをゲットできる。
しばらくすると、冒険の目的がうっすらと分かってくる。その世界の住人の一人になる。
お店で買い物もできる。冒険には装備が必要だ。お金を集めながら装備を足していく。
活動を繰り返す中で、謎が次第に解けていき、ゲットしたアイテムの使い道もわかる。
あまり覚えていないが、最後はボスキャラを倒して、冒険が完結したような気がする。
今の世の中、出会った人に片っ端から声を掛けるといったことはまず起こらない。
でも、バイクでのツーリングや登山など、限られたシーンでは挨拶が交わされている。
同じ目的で進んでいる人との仲間意識だ。気をつけて、頑張ってなどの気持ちが込められる。
都会ではすれ違う人が多すぎだ。密度が濃すぎると対話は無くなってしまうのだと思う。
ゲームのクエストをリアルの世界に持ち込めないだろうか。冒険の舞台は村を丸ごとだ。
村を歩き回る。村人に会う。宝箱を見つける。どこからともなく音が聞こえる。行き止まりになる。
いにしえの不味い飲み物、食べ物にも出くわす。飲みきって、食べ切らないと次に進めない。
村の謎に迫る。でも最後の鍵がなかなか見つからない。かくれんぼが得意なようだ。
鍵は、遠隔操作のアバターロボットが握っていた。色々なところに憑依する。瞬間移動する。
もっと村を知らないと、もっと村人と仲良くならないと、居場所が分からない。見つからない。
村の密度はちょうどいい。都会より時間も少しだけゆっくり進んでいるように思う。ゆとりがある。
村で、温かみのある対話、非日常の体験をプロデュースしたら面白い思う。挑戦してみたい。