一気通貫の力で翻訳者になる

翻訳者。異なる言語の人同士に共通理解を生む大事な仕事。
少し抽象度を上げて翻訳者を捉えてみる。
例えば、異なる言語の人同士ではなく、立場の人同士と置き換えてみる。
色々な場面が頭の中に浮かんでこないだろうか。

販売担当と開発担当の会議でのシーン。
これは売り難いという販売と、こんなに良いものが何故売れないと思う開発。
この対立構造は共通理解なしには埋まらない。
どんなお客さんにどんな価値を届けて、どのくらいのお金を頂くのか。

翻訳者の出番だ。
技術起点の語り口の開発担当と感覚起点の語り口の販売担当。
どちらも大事な2人をつなぐのは、お客さんに届けたい共通価値だ。
開発と販売、その間の生産も含めて一気通貫で見通して共通価値を探る。

機能別の組織だと、その組織の中での効率性という力学が働く。
いつのまにか、お金を頂くお客さんの顔が見え難くなる。あとで問題が起こることもある。
お客さんのたくさんの笑顔を量産していくには、違うやり方がいる。
翻訳者が価値に紐付けて全ての機能の能力を、お客さんのために組み上げることだ。

それぞれの立場の人たちに、この共通価値を作りましょう。
それぞれの立場で、それぞれの貢献をしてみませんか?
翻訳者が共通価値の叩き台を作り、それをネタに対話を生み出す。
建設的かつベクトルが価値に向いた議論になる。

機能の細分化が進み、その専門性が高くなる中、翻訳者になるのはもちろん難しい。
でも、様々な立場になってそれぞれの能力を引き出そうという意志があればできると思う。
一気通貫で物事を俯瞰し、生み出したい価値に、様々な立場の人を結集させる。
スピードが大事ないまの世の中。翻訳者は最も求められている役割の1つだ。