まずぱっと頭に浮かぶのは感情表現。役者が全身で魅せる表現は凄い。
ストーリーがあり、それぞれの役柄がそのストーリーを彩っていく。
それぞれのシーンで細部にまで研ぎ澄まされた演技が連なっていく。
座席に座っているのに、どんどん感情移入が進み、涙さえ出てくることもある。
ライブ感がたまらないのだと思う。その時に見過ごすと2度と見れない。
そんな気持ちも相まって、舞台へと吸い込まれていく。中々新鮮な体験だ。
でも、劇場に出向けばその魅力に魅了されるのだが、なぜか機会をあまり作れずにいた。
役者をやっている友人の誘い、せっかくのニューヨークが観劇の多くを占めた。
もっと日常に演劇と触れ合う機会があるといいのに。そうすれば行きたくなる。
そんな感覚がある。でも演劇はチケットを買っていくしか触れる機会は作れない。
もっと様々な業界のイベントやふとした日常にお邪魔すれば、演劇の魅力を発信できると思う。
ではその際に活用すべき演劇の力とはなんだろうか。いくつかあると思う。
一つ目はインプロというものだ。いわゆる即興で、なにかのリクエストに応じて瞬時に演じる。
リクエストする側は、素人の通行人。役者の能力の高さに圧倒されると思う。
通行人が飛行機のミニチュアを持って、急降下をする。役者はその飛行機に乗った体で演じる。
そのあとは急上昇だ。役者の演技を操る楽しさと、演技力の凄さが周囲の人全員に伝わる。
このシーンではイマーシブ、つまり没入という感覚もある。通行人が劇の一部を担っている。
役者と通行人が対話をしながら劇が進むのだ。これが楽しさの源泉だし、能力の証でもある。
最後は電車や車などモノに乗り移るだ。モノの気持ちになって感情を表現する。
マニアには堪らない体験となり、一般人には面白体験となる。演劇を日常に染み出させていきたい。