空間の力。

仕事ができればどこでもいい。綺麗で快適であればとても嬉しい。
少し前までは、空間に対してのこだわりはあまりなかったように思う。
建築についても、良い建築を見て回りたいという気持ちはあまり持っていなかった。
でも、最近は出向いた空間毎の感想を持つようになっている自分がいる。

あ、この空間ならこんなことをしたい。こんな空間には出会ったことがない。
ふと集中できる空間。心が和む空間。くっと気持ちが引き締まる空間。色々ある。
昨日は想像力を駆り立てるような空間に出会った。気持ちが開く空間だ。
天井が高く、壁一面の窓と、壁一面の本棚に囲まれた空間だ。妄想を膨らませる。

打ち合わせは開放的で明るい会議室。初対面の出会いを円滑にしてくれる。
大きなモニターがあり、プレゼンの合間に現れる額縁付きのデジタル絵画。これもまたいい。
画面に近寄ることもなく、ゆったりとくつろぎながらプレゼンが聞ける。
どんどん時間が過ぎ、いつのまにか食事の場所に移動する時間になった。

食事は京都の居酒屋の代名詞のようなお店だ。カウンターと個室がありとても趣がある。
昨日出会ったばかりの3組と私、合計6人のメンバーだったが、すぐに打ち解けることができた。
出会ってはいなかったが、共通の仕事に関わったニアミスが発覚したのも一因だ。
でも、なんとも言えない懐かしさを醸し出す空間と食に魅了されたのも大きかったと思う。

空間には、そこに訪れた人の背中を押す力、気持ちを揺さぶる力があると思う。
もちろん、逆にがっかりさせることもある。違和感をもたらすこともある。
それだけに、賑わい作りにはとても大事な要素だ。意識してみる空間は面白い。
自分ではすごい空間を作れないが、感じるようになってきた。もっと感覚を研ぎ澄ませたいと思う。