構想家

長らくコンサルタントという職業に就いてきた。世の中に役に立つ存在だと考えてきた。
企業の業績を高めるための様々な手法を持ち、クライアントに合わせて手法を選んできた。
ある手法をそのまま当てはめられなければ、組み合わせたり、カスタマイズをした。
依頼内容を確度高く実現していくことから、リピートの依頼や口コミの依頼が来た。

一番わかりやすかったのはコスト削減だ。でも自分にとっては最も嫌いなテーマだった。
相見積もりは最悪だ。不当に高い部分は削るべきだが、それ以外は許容したいと思ってしまう。
止血という意味では分かるが、コンサルタントであればそれは次の成長とセットでやりたい。
新しくトライするためにお金が必要だ。人が必要だ。これならコスト削減もありだ。

でも、色々なクライアントを見ていて、色々なテーマをやってみて思ったことがある。
クライアントが本当に困っているのは、次の成長の柱を立てられないということなのだ。
それを頼むのはいけない事、もしくは恥ずかしい事という感覚があるクライアントがいる。
頼んでもコンサルタントでは到底出来るはずがないと思っているクライアントがいる。

コンサルタント側も得意なことを素早くやりきり、結果を出すことが好きな人も多い。
そんなこんなで、次の成長の柱を立てるという案件は割合が少なかった。
仮にそういった案件をやったとしても、結果が出ないケースも多く、前述のような状況になる。
真のコンサルタントとはなんだろうか。鍵は、やはり構想家の存在だと思う。

だが、構想家だけでは何も起きないと思っている。構想家とその他尖った能力のチームがいる。
全体をプロデュースする人、仕組みに落とす人、やる気を生み出す人、リスクを捉え対応する人。
これまでのコンサルタントの持つ能力が確実に役に立つ。ベクトルを揃えられれば最強だ。
コンサルティング会社に足りないのは、構想家と構想家を起点に相互に尊重し合う文化だと思う。