材料の情報科学

学生時代、材料工学科に所属していた。主に無機材料に関する色々な研究をする学科だ。
自分自身は電子構造学なる学問を専門にしていた。要は原子と電子の配列を見る。
それをみて、どんな物性があるかを調べるというものだ。いわゆる立体構造の研究だ。
結晶格子なる原子の配列のパターンで基礎的な物性が決まるというものだ。

とはいえ、とてもややこしいのはモノには必ず立体が終わる部分に面、二次元があることだ。
三次元のモノの内部と、その端面である面では性質がガラッと変わってしまうのだ。
さらに、その面も平滑なのか、それとも波打っているのかでまた性質が変わる。
さらには、空気にに触れたりしただけでも、表面の酸化が始まり、別の化合物になる。

因みに原子は原子核とその周りを回る電子で構成されている。その配列を図るのだ。
ただ見ていても目に見えないので何も分からない。そこで探りを入れていく。
探りの方法としては、X線が一般的だ。骨を映すのアレだ。これの使い方を工夫する。
結晶格子のパターンを見るには、原子配列の周期性をみるので回折という減少を使う。

逆に、原子の種類、いわゆる元素を見極めるには、元素から出てくるX線を捉える。
各元素はX線を照射されると、独自のX線を放出してくる。そのエネルギーを測れば元素がわかるのだ。
X線の他にも、電子を同じ方向に加速した電子線、イオンビームなど色々ある。
モノに当てた時のモノの内部でのエネルギーの失い方が異なるので、得られる情報も異なる。

数十年前、色々なモノに色々な線やビームを当てて、地道に物性を読み解いていた。
それが今、どうやら花開こうとしているようだ。過去のデータを集約して集合知にする取り組みだ。
そのデータをAIが一気に頭の中に読み込み、関連付けをして新たな物質の開発を加速させる。
マテリアルインフォマティクスだ。またこの世界に戻りたくなってきた。さあどうしよう。