伝える、伝わる。

昨日は東京で100人弱という沢山の方々に対面でお話をさせて頂く機会に恵まれた。
テーマは中堅・中小企業の人材育成だ。ものづくり企業の参加が多かったようだ。
場所はホテルの宴会場。さすがにゆったりと使っていて、会場はとても広く感じた。
80分という長い時間をいただいて、50枚強のスライドを使って話をした。

創造生産性、和ノベーション、それから買い合う文化などの話をした。
沢山の人が新たな価値創出の素となる構想を持ち、日本を構想だらけにすること。
その構想を実現する仲間を集めて、素早く新たな価値を創出していくこと。
ファクトリーサイエンティストや脱炭素の取り組みでの事例も使いながら話した。

反応は別れた。難しいという方々ときづきを得たという方々だ。半々くらいかもしれない。
難しいと感じた方々は、分野を跨いで一つのメッセージを伝えようとしたのが原因だろうか。
話があちこちに飛んでいるような印象になってしまったのだと思う。工夫が仇となった。
きづきを得たという方々は、たくさんの事例の一つに反応した方が多かったように思う。

様々な事例から同一のメッセージを受け取ってもらうにはどうしたらよいだろうか。
自分自身は、昔から遠距離連想法なるものを意識してきた。その面白さを伝えたいのだ。
全く違う分野でも、「あ、この部分は同じ考え方、メカニズムだ」これが遠距離連想法だ。
この感覚があると、物事の解決に様々な応用が効きやすい。思い浮かぶ打ち手が増えるのだ。

一つの分野を突き詰めてきた方々にとって、細部が違うと全く違うモノに見えてしまう。
少し離れてみると同じモノだが、近寄ると違って見える。そんな感じだろうか。
そんな時もここだけは違うけど、全体を捉えるとこれと同じに見える。そんな感覚で捉えている。
人の感覚は多様なのだと思う。伝え方にバリエーションを持って、きづきを生んでいきたいと思った。