メーカーとユーザー。

カーボンニュートラルのスコープ3、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル産業。
どのキーワードも圧倒的な視野の広さが必要な概念だ。顧客という概念には収まらない。
地球に住むすべての人が対象であり、地球の自然すらも対象なのだから当たり前だ。
SDGsやダイバーシティ&インクルージョンも同じだ。これまでの常識を越える必要がある。

これまでの社会、顧客により良いモノやサービスを安価に届ける。日本の常識だった。
企業は規模を拡大して、大量生産を行い、原価を下げた。市場シェアがとても大事だった。
競合との差別化合戦、価格競争。こうした戦いに勝ち抜いた企業が顧客から支持された。
売上が上がり、利益が生まれ、投資を続けた。企業間でも勝ち負けが鮮明になった。

顧客満足度と企業収益。最優先課題だったのだと思う。これからはどうだろうか。
企業活動には、地球の有限性を踏まえた取り組みが求められる。いや責任がある。
もうモノやサービスを売りっぱなしにはできない。とはいえ全て面倒を見れるだろうか。
100万のモノを売ったら、100万のユーザーがいる。果たしてすべてに目を配れるだろうか。

人でやるのが無理ならIoTを使う。デジタル技術があるので、少なくともモニタリングはできる。
でも、モノの使い方まで責任を持てるだろうか。インセンティブを使えばできるかもしれない。
でも、インセンティブだけでは全ては無理だろう。ユーザー自身が良い使い方を考える。
ユーザーにもありたいモノの使い方に共感してもらう必要がある。ある意味運命共同体だ。

つまりはモノのメーカーだけが供給者ではなく、ユーザーも供給者の一部と捉えてもいい。
ありたいモノの使い方を実現するために必要な機能を担う存在とも言える。
サプライチェーンの一端を担うと言ってもよい。あ、ユーザーは様々なモノやサービスを買う。
であれば、色々なメーカーやサービス事業者のための仕事もできる。こんな考え方はないだろうか。