考え抜く。

情報が氾濫しているせいか、考える癖を持たずに暮らしていける世の中になった。
何か壁にぶつかると、ちゃちゃっとググって、正解の知識を得ることができる。
とても便利だし、効率的だ。以前より明らかに生産性が上がっていると思う。
世の中の誰かが生み出した工夫を、みんなで分かち合う社会。これ自体はとても良いと思う。

インターネットがない時代、直面した課題の答えを探すことはとても難しかった。
周囲の人に聞いても、うーん、よく分からない。こんな回答がとても多かったと思う。
そうなると、なんとか自分で考えるという選択肢しかなかった。無我夢中に考えた。
答えが見つかった時の嬉しさは格別だった。それをみんなに伝えると誇らしかった。

今の世の中、答えを見つけて、誇らしさを感じている人が少なくなったように思う。
大抵のことはネットで済んでしまう弊害だ。更に、これが生産性が思うほど上がらない原因にもなる。
考えずに真似ることで、真の答えとは違うことが選択される。それが積み重なっていく。
その結果、凡庸で、こだわりや工夫のないモノやコトが出来上がっていく。悲しい。

世の中に生まれてくるモノやコトがなんか同じに感じてくる。違うのは価格になる。
そんな競争が繰り広げられている。ネットなんかなければいいのに。そう思うことすらある。
もちろん、すぐに考え直す。ネットがないと困るし、スピードが上がらない。大事なのは使い方だ。
考えてから使えばいい。正解を単純に検索するのではなく、自分の考えたことを調べてみる。

自分で考え抜いたモノやコトがどれだけ世の中にとって価値になるかを調べるのだ。
すると、同じ考えを持った人が見つかる。考え抜いていると、別の領域での成功例が見つかる。
別の領域での成功例が、自分の領域でも使えそうだと気付く。考えが深まっていく。
脳がフル回転していく。色々なものを組み合わせると楽しい。考え抜く楽しさを満喫して欲しい。