組み木の手すり。

以前から進めてきたオフィスのリノベーションが完了した。棟梁に大々感謝だ。
今回の目玉はやはり、二階。「きづきひのきのま」とその周りのこだわりだ。
「ひのきのま」というだけに、ひのきの香りが充満した部屋になった。
二畳ほどの小上がりもあり、畳の香りも混ざり、寛ぎながらの対話ができそうだ。

「ひのきのま」の周りには3つのこだわりがある。1つ目は吹き抜けの猫道。
二メートルを超える高さの空中を歩く気分が味わえる。猫になった気分になれる。
躙口からの出入りはとても緊張する。まだ壁に手を添えてしまうが、だいぶ慣れてきた。
スイスイと端から端まで渡れるようになるまでにどのくらいかかるか楽しみだ。

2つ目は、ひのきの吊り棚。なんとも頼りなさそうなひのきの部材をつなぎ合わせたものだ。
棚も、棚をつなげるたて木もひのきだ。8段くらい組み上げるととても美しい棚になった。
その棚を柱に取り付けて、空中に浮かせた。棟梁の現場合わせの凄技のみがなせる技だ。
そこにたくさんのミニチュアカーなどが所狭しと並ぶ。棚のたわんだ姿がなんとも良い。

3つ目は、二階に登る階段に取り付けた手すりだ。以前のステンレスの手すりからの付け替えだ。
この部分だけは全く手を出せなかった。部材も作らなかった。何から何まで棟梁の凄技だ。
欅、栗、桜 ナラ。手すりは4つの種類の木の組み木になっている。がっちりとつながっている。
登る間に、木の感触の変化も楽しむことができる。とても贅沢な階段に早変わりだ。

今は京都の猛暑で二階はクーラーをつけても少し暑い。でもついつい二階に足を運ぶ。
既に数十人のお客様に来ていただいたが、一階と二階の趣の違いを楽しんでくれていると思う。
やはり自分で考えて、手を動かすと、愛着が湧く。手仕事の素晴らしさを改めて感じる。
さあ、オフィスも進化した。きづきも次のステージに入ろうと思う。量産への挑戦だ。