自分を教えてくれる現場

男臭いイメージがどうしてもつきまとう建築・土木現場。確かに作業はハードだ。
ビルやトンネルを作るには、重く固い材料が必要だ。それの運搬もある。
もちろん、機械化も進めているが、どうしても最後の部分は人手が必要になる。
狭く小規模の現場では、重機も入らない。人の手による作業がかなり残っている。

一方で、ロマンもある。島と島を繋ぐ橋などはまさにそうだ。自分の仕事が地図に載る。
景色を作り出す。スカイツリーなども同じだ。いつみても自分が誇らしくなると思う。
若い人や女性もこのロマンを追い求めたいと感じて、実際にこの世界に飛び込む人もいる。
最近はバーチャルの世界もあるが、やはりリアルの世界でと思う人もたくさんいると思う。

でも、現場に入ると、大きな壁にぶつかると思う。まずはどうしてもある力作業だ。
職人がいとも簡単にやっていることがとても大変であることに気づく。できないのだ。
力作業をしない管理者の場合でも、現場全体に目を配ることの難しさを痛感すると思う。
自分のやっている作業の位置付けを理解するだけでも大変だ。ミスが許されないのもキツい。

建物や構造物が計画通りに作られているか、働いている人は安全に過ごせているか。
周辺住民に迷惑をかけていないか。天候の変化はないか。複雑な要因が絡み合う。
だんだん夢は遠のき、現実に立ちはだかる壁にさいなまれる。打開策が必要だ。
例えば、様々な状況を見える化できれば、気持ちの面で大きく変わるのではないだろうか。

働き手の状況、周辺環境への負荷、工程の進捗状況、本来の作業と現状の作業のギャップなどだ。
自分のやったことが何を前進させたかを知りたい。玄人のやり方を身につけたい。
自分が無理をしてないかを教えて欲しい。どんな能力を身につけることができたか教えて欲しい。
昔から現場監督がやってきたことかもしれない。でも、デジタルも使えばもっと加速できると思う。