きゅうりととまと

15年以上前になる。マンションの庭で二畳弱の広さの畑を作ってみたことがあった。
ホームセンターで洒落たレンガなどを買ってきて区画をつくり、土を入れた。
あまり分からずに肥料も買って、畑を完成させたのを覚えている。ガーデニング風でもあった。
完成後はすかさず、ホームセンターの種や苗が売っているコーナーに出かけた。

種の袋にはタネの蒔き時が書いてあった。意外にも、数ヶ月の間ならいつでも蒔いてよいという設定だ。
結局買ったのは、食べたいものだった。きゅうりにミニトマトがメインで、数種類の品種だ。
家に帰り、早速、畑に植えて、水をやり、目が出てくるのを待った。なかなか楽しみだった。
数日後に芽が出始めた記憶がある。すくすく伸びていく。植物の成長の速度に驚いた。

毎日、手入れをしていたかというと、そうでなく、ほぼほったらかしだった。
気になって見るにはみるが、水をあげたりする時間はなかった。それでもぐんぐん育った。
多めの肥料が功を奏したのかはわからないが、とにかく花が咲き実がなり始めた。
1つ目のきゅうりもとまとも、十分に熟す前にどうしても食べたくなって、食べてしまった。

そのあとは、色々な実験が始まった。少し間引いてみると、実が大きくなるか。美味しくなるか。
収穫しないで成長させ続けたら、アメリカで売っているような巨大きゅうりになるか。
ミニトマトの大きさはあまり大きくならなかった。でもきゅうりは巨大になった。通常の4倍くらいだ。
実を支えるために添え木などをしてみたが、最後は自分の重さに耐えられず茎が折れてしまった。

地面に付いてしまっていたところが、少し黄色くなったが、大味なきゅうりを美味しくいただいた。
一方、もぎたてのとまとは、香りが素晴らしかった。緑の香りといえば良いのか味わいが格段によい。
とまとときゅうりだけのサラダを何回食べただろうか。小さい畑だったが、かなりの収量があった。
ガレージハウスには必ず畑を作ろうと思う。まずは10種類くらいの野菜で実験をするつもりだ。