遠隔技術の可能性

コロナ禍になって、密が問題になった。人が集まり過ぎるのは良くないことになった。
とはいえ、街の賑わいは必要だ。街から人が消えると経済が回らないことも体感した。
これからは密にならない賑わいをいかにつくるかが大事になる。色々な工夫が始まっている。
メタバースもその一つかもしれない。仮想世界でのコミュニティもどんどん生まれている。

一方で、混雑状況が配信され、リアルタイムの行動誘導で密を回避する取り組みもある。
都会の一極集中ではなく、独自の価値で地方に人を呼び寄せる仕掛けもたくさんでてきた。
特に、自然や文化との関わりを大事に、改めて体験する取り組みは、豊かさを生んでいる。
ここにきて、多様な賑わいのあり方が模索されているのは非常に良い事だと思っている。

遠隔からその場にいるかの如く、対話に参加する技術も増えてきた。遅延も気にならない状況だ。
例えば、高精細の等身大のディスプレイがあれば、スマホよりもかなり臨場感が高まる。
頑張れば、それぞれ別の場所にいるミュージシャンが奏でる演奏を同期させることもできる。
その場にメンバー全員を呼ばなくても、コンサートが出来そうなレベルだ。ものすごい進化だ。

宅配便とQRコードを使えば、遠隔地からの買い物も、決済を含めて問題なく実現できる。
逆に、人が来た時だけ遠隔から憑依して、訪問者とのコミュニケーションを取ることもできる。
そうすることで、これまで人通りの少なかったところにも、人を呼んで楽しんでもらえるはずだ。
物理的に移動できなかった人もサービス提供で活躍したり、利用して楽しんだりすることができる。

遠隔技術、仮想空間、リアルタイム行動誘導。このあたりが実空間での密をなくす鍵だろう。
これまで、賑わいはどうしても局所的に起きていた。賑わいがあるところだけ、より賑わってきた。
賑わいが賑わいを呼ぶ感じだ。だから、色々なところが平均的に賑わい続けることは難しかった。
これからは、利用者も供給者も過度の密がない世界をつくるのが良い。新たな世界を構想しよう。