総論賛成・各論自由

凄技の仲間が集って大きな構想を実現していく。そんなとき大事にしたいことがある。
仲間が同じ会社でもなければ、長年の親友でもなければ、特に気をつけたいことだ。
同じ志を持つこと、志をなにより大事にすること。志に照らして些末なことは気にしないことだ。
大きな構想は一人の力ではなし得ない。故に、凄技を組み合わせることを何より優先していく。

凄技を持つ人たちは、自分と異なる環境で過ごしてきたからこそ、自分と違う凄技を持つ。
したがって、自分の持つ常識と凄技の持つ常識は、異なっているのが当たり前だ。
では、そんな人たちが集まって何故上手くいくのだろうか。生活のリズムからバラバラなはずだ。
求心力は、生活のリズムにもなければ、好き嫌いにもない。国籍が異なれば慣習でもない。

人に優しい、相手を思いやる。このあたりは人類共通の感覚だが、これは求心力とまではならない。
求心力は構想だ。構想に共感して、共に磨いていくことで揺るぎない志が生まれ、求心力となる。
志をなんとしても成し遂げたい。こうした想いをもっているからこそ、集中して取り組める。
志や構想に関係のないことは、気にならなくなる。構想実現が近づくことこそが楽しみになる。

総論賛成・各論反対という言葉をよく聞くはずだ。全体の目的はいいが、具体は納得できないことだ。
総論は間違っていないが、自分の組織や自分自身を考えると、その具体を受け入れることができない。結果、それぞれの組織や構成員の総力を合わせて、総論を実現することができない。
日本人の持つチームワークは発揮されることなく、取り組みはいつの間にかなくなっていく。

総論を共感した構想に高める。「間違っていない」ではなく、「なんとしても実現したい」にする。
総論を掲げて、仲間を募る。対話を通じて、それをなんとしても実現したい総論に昇華する。
各論はそれぞれの凄技を持つ人の創意工夫に任せるのが良いと思う。つまり各論は自由だ。
凄技を存分に発揮してもらう。凄技と凄技が絡み合い、思いもよらない価値が生まれる。