ハードウェアの魅力

身近なハードウェアの代表は、冷蔵庫だろうか。いや家といった方がいいかもしれない。
というか、そもそも人は人工的に作られたハードウェアに囲まれて暮らしているというべきだ。
ほとんどのハードウェアは誰かのアイディアで発明され、その後の創意工夫で多様化してきた。
冷蔵庫でもテレビでも、機能、色、デザイン、大きさなど、本当に様々なものが売られている。

全く新しいコンセプトのものでも、既存のコンセプトの進化形のものでも、作る楽しさがあると思う。
頭で考えたことを、ハードウェアとしてこの世に生み出すには、どうしても失敗が必要となる。
車の世界では、試作や実験が行われていた。特に衝突試験などは理論での予測が難しいものだった。
実際にぶつけてみては、壊れ方から正しい設計を導き出すという努力が重ねられてきた。

その甲斐があってか、最近ではデジタルツインと言って、実際の車をぶつけなくてもよくなってきた。
エンジニアが自分の頭に浮かんだことを、3次元の図面に落としていくと、シミュレーションができる。
衝突実験どころか、人の乗り降りのシミュレーション、走行性能などの評価にも実車がいらない。
もちろん、設計が完了すれば実車が量産され、実車での各種調査の最終チェックが入念に行われる。

エンジニアの考えたことが、シミュレーションで上手く検証され、実車に反映されていると成功だ。
「こうしたらこうなるんじゃないか」を繰り返している。エンジニアの楽しみはそこにあると思う。
ものづくり。常に構想と創意工夫による実現が繰り返されている。日々研鑽を積んでいるのだ。
思い通りにできた時の感動はとても大きい。それが人々に大事に使われたら、本当に嬉しくなる。

最近、ロボットコンテストなどを支援している団体の方々に会った。目がきらきらしていた。
おそらく、頭の中にアイディアや創意工夫の種がこれでもかというくらい詰まっているのだと思う。
予算の制約やルールの制約があるロボコンで勝利するには、集中力と粘り強さも必要だろう。
もう一度、ものづくりの日本の文化を楽しむ日常を溢れさせることができたらなんと素敵だろうか。