船のMaaS

最近、「水都」という言葉を聞くようになった。川や海の道が日常にある街だ。
ベニス。世界で一番有名なのは間違いない。場所によっては車より船が断然多い。
温暖化の影響で水位が上がるなどの問題は発生しているようだが、とても趣がある。
日本にも日本らしい水都を生み出すことは出来ないだろうかと考えてしまう。

車のMaaSと言えば、電動化、自動運転、それから乗り継ぎアプリが大きなテーマだ。
日本中で、様々な実証実験が行われている。自動運転を除けば技術的な壁はほぼなくなってきた。
MaaSを前提とした法整備を進め、街単位での協創を進めれば街の活性化につながるだろう。
「車で行き目的地に駐車」から、公共交通機関や低速モビリティとの組み合わせが始まる。

ここに水路を混ぜ込むことを是非やってみたい。街によっては水路を主役にしてもいいと思う。
では、船の自動運転の状況はどうだろうか。意外にも大海原においては自動化済みのようだ。
但し、周囲に障害物がないエリアでの航行が前提だ。岸への発着を含む自動化は鋭意開発中のようだ。
今後の注目は2025年の万博だ。人を乗せるだけでなく、アバター船長や遠隔クルーズも試すという。

エリア内にある既存のバス、電車、シェアサイクルに加えて、観光船も加えた取り組みも既にある。
「NIKKO MaaS」と呼ばれる取り組みは、鉄道会社、旅行代理店、レンタカー会社などが協創中だ。
文化施設などへの拝観・入場チケットをパッケージに組み入れた活動も来年から始めるという。
脱炭素社会を先導するモデルとして、来週くらいから実運用が始まるらしい。楽しみだ。

生活に密着した船の活用方法もあるようだ。EVロボティックボートを作るベンチャーもある。
日本には離島の生活に必要な航路が約300あるというが、それらの1/3は赤字だという。
それを自動航行技術で解消しようという取り組みだ。船着場を起点とした街づくりに挑戦している。
水資源が豊富な日本。「多様で豊かな水都がたくさんある国・文化」を作りたくなってきた。