何かに着手する時、大事なことの1つとして「ゴールを描く」がある。どこを目指して進むかだ。
期日や締め切りは意識できるが、着手した段階で拠り所となるゴールを描くことは意外と難しい。
ついついゴールは締め切りまでに生み出せばいい、はじめは手探りで進むのは仕方がない。
こんな感覚を持ちたくなる。やってみなければわからないと言いたくなるのは当然と言えば当然だ。
では、「ゴールを描く」がなぜ大事か。1人で仕事をする場合ではなく、チームでの仕事で考える。
ゴールを描かずに進む場合でも、プロセスはきちんと定義されている場合も多い。目的も同様だ。
プロセスがあれば、それに沿って作業は進められる。メンバーで役割分担して効率的に進められる。
目的があれば、作業が大きく的外れになることもない。一見、何事もなく上手く進むようにも思える。
ただ、意外と大きな問題が潜んでいる。メンバー間での目的の解釈の違いだ。範囲や粒度が異なる。
解釈がふわっとした感じになることが多く、どうしてもその作業単体での完成度に着目しがちだ。
自分が担当している作業の成果やその深みがゴールを生み出すのに必要な範囲や粒度とズレるのだ。
チームメンバーの能力を最大限結集して、ゴールを紡いでいくという状況が生まれなくなるのだ。
ゴールを描く上で何よりやるべきことは、目的をメンバーで深堀り、本質的な目的を共有することだ。
要は「これ」を実現したいんだよね、と共通の認識を持つ。これがチームの羅針盤になる。
本質的な目的を見出す過程では、世の中に生み出したいシーンの具体もたくさん出てきているはずだ。ゴールに至るまでの作業を分担する際にも、これらの具体が大きな助けになる。迷いなく進める。
もちろん、ゴールが壮大だと、着手時にはゴールを抽象的にしか描けないかもしれない。
土地勘がないと、少し下調べしてからでないと、ゴールのイメージすら湧かないかもしれない。
大事なのは少しでも早いタイミングで具体度を増したゴールを持ち、チームで共通認識を持つことだ。
「今は決められない」ではなく、「今はこう思う。これでいく」の精神で前に進む意思を持ちたい。