思わず使いたくなる能力

営業や企画、経理、マーケティングなど、世の中には色々な職種がある。
翻訳やメカニック、デザイナーなど、特定の技能によりフォーカスした職種もある。
標準的な作業を頼む場合、職種があれば誰に頼むべきかは明快だ。
でも、成し遂げたいことがあって、それに役立つかどうか。これは職種だけだと分かり難い。

成し遂げたいこと、生み出したい価値で、能力を表せないだろうか。
例えば、メッキ屋さん。非金属材料に金属の薄い膜を被せる職種だ。
もし、「アンティークの風合いを量産できます」とメッキ屋さんが言ったらどうだろうか。
家具屋さん、雑貨屋さん、看板屋さんなどなど。創作意欲が湧き上がる。

カードゲームのオタク。マジシャン。
いわゆる職種ではないが、2人とも共通の価値を生み出している。
「人を惹きつける」という価値だ。もちろん具体の手段が異なる。
でも、この2人が「人を惹きつける」という能力を持った人だと、意識することは少ない。

町おこしのカードゲームを作る。住民と一緒に遊ぶ。よそ者の我々と自然と仲良くなる。
ゲームが終わると、住民は自分が主語で町おこしをしたくなっている。動き出す。
マジシャンは人の探究心をくすぐる。タネはなんだろうか。自分もやりたい。
うーむ。分からない! 人の心理をうまく捉えて夢中にさせる。夜も寝られない。

カードゲームオタクは、「もっと巧くなりたい。勝ちたいという衝動を生む能力」。
マジシャンは、「人の心理を捉えて、気持ちを高揚させる/気持ちに変化を生む能力」。
こう捉えてみると、色々な価値創出の場面でも活かせると感じる。
新たな価値を、能力の組み合わせで生み出してみたいと考える人に響く。

「一緒のチームに入ってくれませんか?」と思わず声をかけたくなる。
そんな場面を生み出す表現。
そんな言葉で、自分の能力を表してみる。
世界がどんどん広がると思う。仲間がどんどん増えると思う。