異能チームで仕事をする

昔から、一人で黙々とやる仕事もあったが、何人かが協力して進める仕事もあった。
大プロジェクトでは、大目標にまっすぐに向かうべく、多数のタスクが定義され、メンバーに割り当てられる。
一つ一つのタスクは進捗管理され、スケジュールから外れそうなタスクには応援が入る。
リーダーの指示の下、プロジェクト完了の期限を、チーム全員で守っていく。

日本はチームプレーが得意。助け合いながら着実にかつ高品質にやり遂げてきた。
経験の浅いメンバーは、先輩の動きを見ながらプロジェクトの中で学んでいく。
チームの絆は経験したプロジェクトの数に比例して深まっていく。
日々の小さい業務でもそれぞれがタスクを受け持ち、ひとつの目標に進んでいく。

オープンイノベーション。最近は得意技を持つ他産業の会社との共創に挑戦する会社が多くなっている。
これまでの阿吽の呼吸が通じない世界だ。共通言語がなく、それぞれの常識がぶつかり合う。
更には、自分たちにない得意技を組み合わせるため、最終的に出来上がるものにも手触りが持てない。
つまり、生み出したい製品やサービスに対する具体が見えにくい中での共同作業だ。

こうした際、重要なのはしつこいほどのゴールイメージの共有だ。互いの言葉で表現し合うことだ。
最初はもちろん理解が進まない。日本語なのに言葉の意味すらわからないこともある。
なので、できるだけ専門用語を使わない。どうしても一般的な用語では難しい時はチームの辞書をつくる。
そうして定めたゴールイメージを常に頭に入れておく。それぞれで壁やPCのデスクトップに貼っておく。

日常では、かけ違いが当たり前のものと、覚悟を決める。全く常識が異なるからそれが当たり前と思う。
そうすれば、イライラすることもない。メンバーにゆとりを持って優しく話しかけることができる。
結果、互いの認識のズレは解消されていく。いつの間にか一丸となって、双方の得意技をリスペクトしている。
社内に閉じたプロジェクトより、社外の異能と一緒にやるプロジェクトは刺激的だ。そして実りも大きい。