魚へんに弱いと書いて鰯。イワシという魚は他の魚と比べてもかなり弱い魚らしい。
水族館で飼育をするために、海から運んで大きな水槽へと移すだけでも弱ってしまうという。
そんないわしにとって、外敵も多い中、大海原で生き続けるのはさぞかし大変なことなのだろう。
故に、いわしは大きな群れを作って、大きな生き物が動くかの如く姿を変えながら進んでいく。
大きな群れになると、デメリットもある。外敵は遠くからでもイワシがいることがわかるからだ。
でも近くに寄った時、沢山のイワシが群れていると、その中の一匹に的を絞るのは大変のようだ。
結果、一匹でいるよりも、群れていた方が捕食される確率が低いらしい。うまくできている。
でもどうして、あんなに沢山のイワシがぶつからずにすごいスピードで泳ぎ続けられるのだろうか。
どうやらイワシの側面についている水の流れや圧力を感じる側線という器官が活躍している。
この器官によって、周りのイワシとのつかず離れずな距離を保つことができるのだ。
でもイワシにリーダーがいて、群れの統率をとっているわけではない。それぞれが感じて動いた集積だ。
要は、それぞれのイワシにとっては、沢山の仲間のイワシに囲まれている状態が心地いい。
もし、それぞれのイワシが考えて行動していたのなら、こんな不規則な動きにはならない。
条件反射的な動きが、あちこちで続いて重なっていくと、不規則な群れの動きが生まれる。
自然を見ていると色々と勉強になる。街づくりなどに応用して役立てることもできると思う。
できたら、相対的に弱い地場の中小企業の新たな活躍の仕方を生み出すのにも使っていきたい。
誰もがわかるシンプルな活動、考えずに条件反射的にできる活動。こうした活動をみんなでやる。
そうすると、活動が積み重なり、うねりとなって街を包み込む。こんなことが起こせるかもしれない。
毎日の新たな習慣、日常のほんの少しの隙間時間にできること。このへんにもヒントがありそうだ。
大きな資本投下を前提にした事業拡大ではない、新たなちいさな事業の量産方法を考えてみたい。