リスクの低減。

与信という言葉がある。漢字の通り、取引先に信頼を与えるという意味だ。
通常、過去の履歴を見て、特に収入状況や類似の取引の状況を見て判断する。
十分な収入がある。しっかりと借りたものは返している。そんな感じだ。
難しいのは線引きで、「十分な」や「しっかりと」を定量化する必要がある。

また、与信というのはある意味、リスクの低さを取引前に評価するという意味だ。
故に、与信さえ通れば大丈夫。そんな言葉が聞かれる。手元に欲しいものが来るからだ。
過去のデータを可能な限りよく見せる。それを続けていくことで通過する。
ギリギリ頑張ったところで与信が通った人は、その後辛くなることもある気がする。

だいぶ前から与信を通った後にリスクをコントロールするビジネスもある。
例えば車だが、分割の支払いが滞ると、車を動かなくした上で位置を確認する。
その後、車を回収に行くというビジネスだ。東南アジアから始まったと思う。
車の場合、車が担保のケースが多いため、売却をすればリスクは低減できる。

それでは、買う前に試すことはできるだろうか。与信を通すかどうかをテストする。
前述の過去を今から作ってみるのだ。もちろん、必死で通すために頑張る。
でも、無理をすると色々な面で歪みがくる。車は手元にあるが払いがきつい。
故に、ガソリン代が払えないので使うことができない。本末顛倒の状況が生まれる。

そうなると、無理のコントロールと言っても良い。無理がすぎない程度の見極めだ。
世の中には銀行口座やカード会社の情報がある。でもその中身は見えない。
与信をくれるだけだ。このDXの時代、与信の物差しを能動的に作ってはどうだろうか。
色々なやり方があるはずだ。多様性の時代、多様な物差しを持つことが大事な気がする。