狂言。

昨日は、生まれて初めて狂言を見た。700年以上も続いている狂言だ。
炮烙割という演目で、お面を被った人物が3人登場するらしい。演目が始まった。
最初に来た太鼓屋はとても嬉しそうだった。無税で店を出す権利を得られるからだ。
ところが、その人は安心して寝てしまう。そこに皿屋がやってきた。

何か悪巧みをしてそうな顔だ。太鼓屋の様子をこそこそと伺っている。
顔といってもお面なので、表情が変わるわけではない。所作から見て取れるのだ。
皿屋は、太鼓屋が寝ているのを確認して、首からかけている太鼓を奪おうとしている。
何度か挑戦して無事に奪うことができた。しばらくすると今度は皿屋も寝てしまった。

太鼓屋が起きる。そして自分の太鼓がないのに気づく。寝ている皿屋が首にかけているのだ。
すぐさま起こして、自分のものだと主張を始める。皿屋はこれは自分のものだと言い返す。
太鼓を奪い返そうと、小競り合いが始まる。2人ともいっこうに引くことがない。
しばらくすると、高貴な方が出てきた。どうやらいざこざを止め、裁定をくだしに来たのだ。

2人の持ち物を検めはじめた。どちらの言い分が正しいかを判定しようとしている。
状況はよく分からなかったが、どうやら高貴な人の裁定では、太鼓屋が悪いことになったようだ。
皿屋は後から来たのに、無税で店を出す権利を手に入れたのだ。ただ続きがあった。
店を開いたのか、皿がたくさん並べられた。そこに太鼓屋がやってきて暴れ始めたのだ。

太鼓屋は、並んだ皿を端から端まで全て落とした。皿屋は売る物がなくなってしまった。
太鼓屋は恨みを果たすことができた。演技と短な解説からこんなストーリーが掴めた。
この演目の意味するところは、厄除けらしい。家族の性別と年齢を書き込んだ皿を割る儀式だ。
意味合いとストーリーがうまくつながらなかったが、奥行きのある演技に少し深入りしたくなった。