コト売り

ゴルフクラブ、自動車、キャンプ用品。どんなモノでもコト売りが盛んだ。
使い方はもちろん、使うシーンの提案、さらには一緒に楽しむ仲間まで紹介してくれる。
そのモノを楽しむ機会を増やして、使った時の楽しみの大きさを増幅させる。
それだけではない。使う前の期待を膨らませ、使った時の記録すら自在にアクセスできる。

そんな至れり尽せりの状態が簡単に整うのだから、いまの社会はなんと恵まれているのだろうか。
一度使ったら病みつきになってしまうのも分かるし、色々なモノに挑戦しようと思うのも分かる。
消費者は様々な体験をどんどん積み重ね、もしくは深く体験することができるのだ。
これからもこうしたコト売りが消費者を惹きつける手段として高度化を続けるのだろう。

会社対会社のビジネスの世界では、以前は、言われた事をやり切ることが求められた。
でも次第に言われない事で、相手が欲することを探して、それを試してみることが始まった。
相手が喜んだ事を通常のサービスとして取り入れて、他者との差別化を実現していった。
最初は無償サービスとしての位置付けが多かったが、次第に追加のお金を取ることに価値を広げた。

相手の社内でやっていた事をこちらでやる。棚入れ、データ連携、設計支援など様々なものが対象だ。
相手が人やコストを掛けてやっていたのだから、それよりは安価になるように価格を設定する。
こちらは、自社のプロセスを少し変えたり、これまでの経験をノウハウとして体系化して対応する。
ここまでくると、言われた事の範囲を大きく超え、言われた事をより楽に価値のある形にしている。

これは消費者に対してのコト売りに似ている気がする。楽しみや付加価値の創出に集中できるのだ。
そういえば、昔から上司の仕事を奪いにいくという話を良く聞いた。これは社内だがとても似ている。
上司からの信頼は抜群となり、できるスタッフとして経験の蓄積がどんどん進んでいく。
コト売りとは先読みの力なのかもしれない。いかに先回りして最終目的に近づけるか。それが大事だ。