量り。

最近では、体重計に通信システムがついている。スマホで体重管理ができるのだ。
いつ体重計にのったか、その時の重さは何kgだったか。時系列の変化はどうか。
ずっとデータを貯めていくと体重にとどまらず、体調に関して様々な情報が得られる。
バイタルデータをとるネックバンドをつけていれば、体温、心拍数、酸素濃度なども手に入る。

そうしたデータを俯瞰してみれば体調とその原因がみえてくる。病気で弱っていて食が細っていた。
ちょっと夕食に食べすぎて、夜の寝つきが悪かった。ファクトに基づいて精度の良い予測が可能だ。
3食のデータを写真でとり、カロリーや栄養素を予測するツールを使えば更に精度は上がる。
どれだけ食べて、どれだけ動いて、どれだけ体重が増えたかが、立体的に掴めるだろう。

重さの測れる量りを、人ではなく、モノに使う取り組みも増えてきた。
量りの上に1種類の品物がたくさんあったら、そこにその品物が何個あるかが数えられる。
誰かがそこから一つとれば、取った時間が記録できる。増えたタイミングも同様だ。
あと、遠くからその場所に行かなくても、そこに実在している品物の数も簡単に分かる。

3個まで減ったら自動発注をするといった機能を付加することもできる。
必要な数を、必要な時間に、ちゃんと取ったか、他の品物をとっていないかも記録が残る。
もちろん、間違いだとアラームを鳴らすことも可能だ。要はモノの動きをトレースできる。
ただし、重さで見ているので、同じ重さの異なる品物はその種類を判別できない。

故に、量りの上には一種類の品物だけしか載せてはいけないのだ。間違えても気づけない。
10の品物があったら、測りを10用意して、それぞれの量りに正しい品物があることを担保する。
一つの品物に様々なものを取り付けていく流れを追うことも可能だ。工程毎に測ればいい。
増えている重さが正しいか、なくなった部品が正しいか。このあたりも全て見通せる。面白い。