インフラ点検の本質。

道路、橋、水道、ガス、電気。インフラは色々なモノの通り道となっている。
しっかりと設計して丁寧に作っていくわけだが、どうしても経年劣化していく。
故に、完成した後は、常に正常な状態かどうかをモニタリングしていく必要がある。
とはいえ、四六時中観察するわけにもいかないので、定期的に見ていくことになる。

これまでの経験則の中で、こういった部位は3年ごと、こちらは毎年実施する。
世の中の至る所にあるインフラはこうして、安心な状態に保たれているのだ。
でも少し心配になることがあった。決められた間隔で実施できていないモノもあるのだ。
要は検査をすべきタイミングに実施されず、それを過ぎても検査を待っているインフラがある。

インフラ点検の本質的な目的はなんだろうか。インフラを点検することではない。
インフラの安全を確認することだ。そして安全が脅かされるなら迅速に対処することだ。
安全を確認するための方法論は決めておく必要がある。場所ごとにバラバラではまずい。
一定のルールを決めて、そのルールをしっかりと遂行できる人が行うことが求められる。

もし、取り決めた閾値を超えた数字の出た点検箇所はすぐさま対応方法を考えていく。
この閾値も場所ごとにバラバラであってはならない。ルールに基づくことで安全を担保する。
では、検査が未実施のところはどうやったら無くせるのだろうか。足りないのはお金か人か。
お金の部分はなかなか難しい問題だ。一方で人であれば色々やり方はあると考えている。

ルールに基づいて実施できる職人が限られているなら、その人の稼働状況を改善すればいい。
ルールの部分は職人にしかできないので、ルール以外の部分に着目してみる。
そこをその職人がやっているなら、それを職人にやらせないことだ。そうすれば職人の時間が空く。
職人の時間が開けばもっとたくさんの場所を点検することができる。ここに本質がありそうだ。