常にありたい姿、ゴールのイメージを持って事業を組み立てることは大事だ。
でも、ありたい姿はとても理想で、今ある世界とはかけ離れている事もある。
かけ離れていればいるほど、その実現は一足飛びにはいかず、難儀だ。
とはいえ、ありたい姿を近くに置けば、多くの場合価格での勝負になる。
この値段なら売れる。そう考えてしまうと、いつのまにかありたい姿など忘れてしまう。
故に、ありたい姿はやはり大きく持つことが大事だ。高い対価の取れる価値を描く。
そうなると、やはりありたい姿を即座に実現することなど到底不可能になる。ジレンマだ。
要は、ありたい姿を見据えつつ、乗り越えやすい壁を見極めながら進まなければならない。
一直線に行ける場合はやはり少ない。初めの一歩は意味がないと感じる一歩の方が良いかもしれない。
ゴールにほぼ近づかない一歩だ。でも、その価値のわずかな部分に触れるきっかけにはなる。
触れてさえ貰えば、こんな使い方もしてみようかと、次への一歩が繋がる可能性がある。
特に長年の蓄積の中で、常識とされてきた事を覆す時は、ほぼ進まない一歩のが逆に良い。
大した事ではないから、いまのやり方の足しに少しはなる。こんな塩梅がちょうどいい。
そこを体験した後なら、せっかくこれがあるのだから、こんなことも一度やってみるかとなる。
波風たてずにどうここまで持っていくかが腕の見せ所だ。ありたい姿を語らない選択もある。
まさに、「急がば回れ」とはよくいったものだ。シナリオをしっかり作るのがいい。
突破口は小さく、簡単で重要でないものを。しばらく様子見。時を見計らい堰を切ったよう進める。
こんな感じだろうか。勝負の時は必ず素早く結果を出す事も求められる。読み切らねばならない。
価値を感じるのは人だ。人はこれまでの積み上げてきたものを大事にする。試すには準備がいるのだ。
価値自体の大きさ、ありたい姿の大きさはもちろん大事だが、人の中にある壁を捉える事も必須だ。