複雑な事をやり遂げる。

多様性が重視される中、世の中の物事はとても複雑になっているように感じる。
何をするにもゴールは遠く、ゴールへの道筋もなかなか見通すことができない。
だからと言って、何もしないわけにはいかないので、足元でできることをやる。
すると、できることが上手くいくのが楽しく、次第に足元に熱中し始める。

もちろん、道筋が分かれば役割分担をして進めるのであるのには越したことがない。
でも、ゴールまでの道筋を描き切ることはそんなに簡単なことではない。
特に、当事者以外の人が描いたとしても、当事者が実践できるものになるとは限らない。
やはり、当事者がゴールを忘れずに追い求めることが何より重要なのは間違いない。

でも、結局ゴールには届かない。世の中では至る所でこうした残念なことが起きている。
最悪の場合は、そもそも無理で、ゴールの存在を忘れてしまうことすらある。
ではどうやってゴールに辿り着く状態を実現していけば良いのだろうか。
こと細かくゴールまでの全ての道のりを指し示していくことは明らかに現実的ではない。

では、どのように未知のゴールを当事者の脳裏に焼き付ければよいのだろうか。
答えはシンプルに本質を突くだ。登場人物を整理して、それぞれの理想の状態を描く。
登場人物同士の関係性やつながりを表現する。その際、その状況が持続することを考える。
できれば、すべての登場人物がどう絡み合ってどんな状態になっているかを一言で表現する。

このゴールの姿の本質的な記述さえあれば、ゴールへの道筋がなくともなんとかなると思う。
この記述はすべての活動の羅針盤となり得るからだ。常に活動がそこに向いてるかを確認できる。
遠くて道筋が分からなくても、その姿の実現にどのくらい役立つかは判断できるはずだ。
あまり役立たないものはやり方を変える。こんな進め方でゴールを忘れず到達していこうと思う。