最低賃金を倍にする。

場所にもよるが、いまの最低賃金は800-1000円の間だ。少し前に引き上げの話があった。
過去最大の引き上げで、全国平均で30円強、上がったというニュースを見た。
物価の上昇が激しい中、30円という金額がどれほど意味があるのだろうかと、正直感じた。
でも、効率の改善に邁進してきた企業にとっては、それなりの大きな数字になるのかもしれない。

いま、世の中は人材不足と言われている。要は人材の需要より供給が少ないということだ。
こんな状況であれば、時給を上げるという判断がもっとあっても良い気がする。
少しでも高い給料を払って、自分の会社を選んでもらうことが大事なはずだ。
また、低い給料では働く意欲がなかった人も、この給料ならと働き始めるかもしれない。

では、最低賃金を倍にしたらどうだろうか。2000円だ。1日8時間働けば1万6千円になる。
間違いなく収支が合わなくなる会社がたくさん生まれるだろう。何もしなければ衰退する。
既に徹底的なオペレーションの標準化・効率化をしてきたサービス業は特に、厳しいはずだ。
生き残りの道は、売価を上げることになる。他にあるとしたら、自動化による更なる効率化だ。

売価が上がるとどうなるだろうか。街の商店との価格差が縮まる。街の商店にもチャンスがくる。
街の商店もバイトを使っているなら、コストは増えるが、知恵を絞って乗り越えてみる。
一方で、自動化による更なる効率化はどうだろうか。コストを掛けて大手サービス業がやりそうだ。
そうすると、一気にロボットの技術が進化するだろう。デジタル化の進展も期待できる。

もし、価格差のない状態が生み出せれば、つまり低価格を武器にするのをやめれば、面白くなる気がする。
どちらも価格以外の価値を磨いて戦うようになり、街中に類似した商品やサービスが減るのだ。
例えば、顧客はロボットによる自動化を好む層と、人との触れ合いを大事にする層に分かれるだろう。
生活保護を手厚くではなく、最低賃金を倍にする事をきっかけに社会を動かしてみてはどうだろうか。