「やばい」太陽光パネル

大型トラックが、何度も上を自在に通行できる太陽光パネルに出会ったのは3年前だ。
太陽光パネルは、透明なガラスのようなもので作るものという常識が崩れ去った瞬間だ。
何十トンもの荷重を掛けてもびくともしない太陽光パネルがあるなど想像もできなかった。
当時、そのパネルを目の前にして、開発者の話を聞いたことを今も鮮明に覚えている。

太陽光パネルを貼ったら、その上部の空間を含めて、いかなる用途にも使えないのが当然だ。
だが、このパネルの場合は道にできる。太陽光パネルが別の機能を同時に持てるのだ。
車が通った瞬間以外は、パネルに太陽の光が届く。渋滞でもない限り、光が届く時間は長い。
しかも、上を通ってもアスファルトのように「わだち」ができないというのだ。

また、パネルを敷くだけで電気を生むので、グリッドと繋がなくても道路に電源が取れる。
つまり、道路のメンテナンスと、電源工事の負担が大きく低減できるという訳だ。
あと、これまで山の斜面の木々を切り倒して、パネルを設置していたが、それも必要なくなる。
そもそも道路は、人工物のアスファルトで、それらがパネルに置き換わるだけだからだ。

3年前の段階で、道路に設置して活用できる機能性はほぼ満たしていたと思う。
あとは、経済合理性をどう合わせ込んでいくかというビジネスモデルを組み立てることだった。
コストは、単なるアスファルトより勿論高い。電気を含めた施設の作業とメンテと一緒に考える。
景観という大事な価値もなんとかして、経済合理性に組み込みたいとも感じている。

道路の中でも高速道路であれば、発電量の多さも含めて、経済合理性が高まりそうだ。
他にはいい場所はないだろうか。あ、道は道でも線路はどうだろうか。特に廃線になった線路だ。
そこに自動運転車を走らせる。うまく踏切やホームも使って、安全を担保し、賑わいを生み出す。
「廃線なると地域が廃れる」ではなく、新たな可能性が開く。こんなトリガーにできないだろうか。