束ねる思考方法

企業のパーパス、存在意義を具体度を上げながらツリー状に噛み砕くとパーパスツリーができる。
パーパスツリーは、パーパスだけでは抽象度が高すぎて、行動に移すのが困難な場合に役立つ。
ただ、具体度を一気に上げ過ぎてしまうと、使えるシーンを限定してしまうので、注意が必要だ。
具体度を3-4段階作れれば、様々なシーンにあった具体を、創意工夫を通じて生み出せると思う。

魚の骨というツールもある。ある目的を実現する上で考えるべき要素を洗い出せるものだ。
名前の通り、全体は魚の骨のような形だ。真ん中の太い骨から枝骨が何本も出ている。
各枝骨からも更なる枝骨が出て、目的を因数分解していくようなイメージだ。
このツールを使うと全体像が把握でき、活動に抜け漏れが無くせ、組み合わせのアイディアも湧く。

どちらも、ものごとを「俯瞰」するために使う。抽象度の高い大目的を具体の束に落とすものだ。
パーパスツリーでも魚の骨でも、極めて本質的なこと、その実現に必要な切り口が洗い出される。
故に、大きな環境変化があった時でもその変化の部分だけを考え直すことでブレない活動ができる。
技術進化などがあった場合にも、その進化でアップデートできる部分だけを考え直すことで十分だ。

すべての取り組みに応用可能だ。こうしたツールがあると迷わず、組織の活動の向きを合わせられる。
こうした意識共有の仕掛けがあることで、アジャイルな活動を巧く進めることができる。
「迷う、立ち止まる、色々考えてしまう」ではなく、目的を見据えた素早い動きができる。
仮に、1つの動きが失敗しても、目的が同じの他の目的にその経験を生かすことも容易だ。

過去に成功した事例を詳しく知っている。数多く知っている。これまではとても重宝した。
これからは、成功した事例のコピーが大きな価値を生まない時代にどんどんなっていく。
大きな目的を実現するために、あの手この手を駆使して進む必要がある。新たな打ち手がいる。
目的実現のための打ち手の束を持つ。色々な目的に応用する。こんな思考法が必要だと思う。