具体と抽象

昨日、このタイトルの本に出会った。尊敬する経営者が紹介してくれたものだ。
副題には世界が変わって見える知性の仕組みとある。うんうん、思わず頷いた。
昔から自分が随分と変わった見え方をしていると思っていた。感じていた。
世の中の色々な事象が同じ形に見えるとよく言っていた。相似、フラクタルの概念だ。

本はパラパラとめくったが、中身は読んでいない。どんなことが書いてあるのか妄想中だ。
いや何かもったいなくて、なんとなく読み始められない。こんな感覚はそうはない。
ここ5-6年で使ってきた表現は抽象度のマネジメントという言葉だ。上げ下げする能力を言う。
なかなか伝えるのが難しい概念だと常に感じてきたが、かなり平易に書かれているようだ。

最近、注目されてきたパーパス経営、アーキテクチャ、以前からあるブランディングという概念。
これらは価値実現の手法論。これらを担うには、抽象と具体の行き来の能力が不可欠と信じてきた。
プロセス思考ではない、本当の意味での仮説思考も同じだ。仮説の進化とは具体化の道だと思う。
油絵に擬えて、最初の仮説は構図と色合い、重ねて塗る中で細かい表情が描かれていく感じだ

デザイン経営も同じだ。顧客にどんな価値を届けるか。気持ちのデザインを具体に落としていく。
感性を震わせるにはどんなアプローチを取るべきかを考えていく。いくつかを重ねて実現していく。
オープンイノベーションも同じ気がする。まずは生み出したい価値を掲げるところからはじめる。
その価値の実現に必要な技術やスキルをかき集める。共感の中で一緒にその価値を生み出していく。

世の中で一番大事な概念、これから一番必要な概念は、抽象と具体。間違いないと感じている。
はやくもっと人にちゃんと伝えられる表現を身につけたい。この本を読むのが楽しみだ。
ものすごく共感することもあるだろう。もしかしたら疑問を感じるところもあるかもしれない。
でも楽しみでしかない。みんなが抽象・具体マスターになれば、凄い未来を切り拓けると思う。