都市と地方と里山

日常の中で意識する街が3つある。東京、京都、丹波篠山だ。どれがいいではなく、どれもいい。
東京はどこまでも続く街、人口は1000万人を優に超える。様々な国の方とも出会える街だ。
どんなマニアでもオフ会が開催できる。探せば何でも見つかる街ではないかと思えてしまう。
東京を1つの言葉で表すなら、多彩な文化を包含する都市だ。刺激に溢れた都市だと思う。

京都、特に中心部は三方山に囲まれた小さな都会だ。コンパクトだが一通りの機能はなんでもある。
加えて、織物、能や狂言、寺社仏閣など、古くからの日本文化、京文化に日常から触れられる。
数え切れないほどの大学もある。イノベーションの風土もある。それらが巧く重なり合っている。
中心部から少し離れれば、山や峠があり自然が広がる。山小屋のカフェにも1時間掛からない。

丹波篠山には便利さはない。生活必需品の調達にはもちろん困らないが、便利とは言い難い。
自然に囲まれ、農業、林業、それから観光業が主な産業だろうか。ある意味普通の田舎だ。
でも、創意工夫に溢れていると感じる。生活を楽しんでいる人の割合が多い気がしている。
素材や材料を作り、それを加工して、おもてなしと共に提供している。6次産業への挑戦だ。

3つの街の持つ魅力は明らかに異なる。丹波篠山は単一に近い里山の文化の堪能だ。安らぐ。
京都は、伝統とイノベーションの融合を始めとする幾つかの「文化の交わり」を意識できる。
東京は、圧倒的なバリエーションで、文化の多様性が存在する。巧く共存している感じだ。
街に内包する文化の数や、それらの重なり方が、街の特徴や魅力を醸し出しているのは間違いない。

大きな街、たくさんの人が暮らす街は、包容力がある。ゆえに、街が包含できる文化も多い。
色々な文化を束ねた魅力を発信すれば良い。新旧の文化の交差、文化の宝石箱な感じだろうか。
逆に、単一の文化なら、その文化を堪能できる様々な体験を揃えると魅力的だ。発信力も強くなる。
3つの街はどこも魅力的だ。とても贅沢な体験となる。日本中に多様な街が増えたら最高だと思う。