CO2と原価を考える

地球に優しい生活をする。私自身、改めてアクションを起こそうと意識することが多くなった。
CO2の排出が少ないものを買おう。無駄やゴミを無くそう。エネルギーを節約しよう。
日常生活の中で、自分でできることから、少しずつ実践している。そんな人が増えてきた。
やはり、最近のゲリラ豪雨、猛暑など、地球の異常をみんなが感じ始めたのだと思う。

ガソリン車ではなく、電気自動車を。化石燃料ではなく、再生可能エネルギーを。
レジ袋は使わずにマイバックを。使い捨て容器ではなくマイボトルを。この辺りは分かり易い。
でも、性能や機能が同じものなら少しでもCO2の排出が少ないものを選ぶ。これは意外と難しい。
価格や成分表示と違って、CO2の排出量については、データがまだまだ整備されていないからだ。

排出量を取りまとめる仕組みは今まさに作り上げているところだ。ただ勿論、1社ではできない。
原材料から最終製品が顧客に届くまでのサプライチェーン全体を足し合わせる必要がある。
サプライチェーン上の各社が仕入れ、自社の活動、次の会社への搬送までのデータを取り纏める。
当たり前だが、同じ製品でも製品の作り方、原材料やエネルギーや物流の選び方で大きく変わる。

CO2排出量の見積もりは改めて複雑だと感じているが、原価計算と似た仕掛けが使えると思う。
原材料が変われば原価は変わる。生産ロットや設備稼働率、トラックの積載率でも原価は変わる。
故に、過去の実績において、実際に掛かったお金を個別要素に的確に配賦して標準原価を導き出す。
この標準原価を使って、製品別の利益管理、収益増に向けた生産計画や営業戦略の策定を行っている。

CO2も同様だ。まずは原材料毎、生産・物流工程毎にCO2を整理して、製品の標準排出量を捉える。
俯瞰して、削減インパクトがあり、費用対効果の高いところから改善に着手していく。素早くだ。
もちろん、費用がゼロに近い無駄取りなどは確実に進める。削減目標に届くまで手を止めない。
今後は「原価と排出量の見える化、高次元での両立」だ。とても難題だが、知恵の力で克服したい。