猫好き

レーダーがついていると思う。それも猫を見つけるレーダーだ。なんとなく見られている気がする。
感知してふと振り向くとその方向に猫がいる。ふにゃー、とした姿にとても癒される。
気ままな感じも好きだ。自由に生きている。優雅に歩く様、鳴き声、毛並み、目の色。可愛すぎる。
運動能力も高い。狭い所も難なく通り抜け、高い所にもパッと飛び乗る。モノを倒すこともまずない。

飼い猫でも、飼い主ではなく友人な感じだ。甘えてくる時もあるが、餌に反応しないこともある。
走り回っていたかと思えば、スヤスヤ気持ちよさそうに眠る。とても羨ましい。猫になりたくなる。
肉球も好きだ。触るとぷにぷにする。この肉球が飛んだり跳ねたりするのを支えている。すごい。
しっぽもまた可愛い。ぴーんと立てて歩いたり、くねくね揺らして誘ってみたり。何かずるい。

今でこそ克服⁈したが、振り返ると猫との最初の触れ合いは大変だった。身体に異変が起きた。
引っ掻かれるとミミズ腫れ。捕まえようとするのがいけないのか、とにかくたくさん引っ掻かれる。
まだ関係性が成り立っていない人には触らせたくないのだろう。低い声で唸られる。
それだけではない、しばらく同じ部屋にいると、だんだん呼吸が苦しくなっていく。喘息な感じだ。

それでも、猫との触れ合いには果敢にも挑戦し続けた。家で飼うという大胆な行動にも出た。
最初は男の子と女の子の2ひき。メインクーンという大型で毛並みの良い種類の猫だ。
「なのに」と「まもみ」と名付けて楽しい生活が始まった。1ヶ月もしないうちに身体が慣れた。
引っ掻かれると、軽いミミズ腫れにはなったが、暫くすると引っ掻かれることがなくなった。

毎日、少しの時間でも換気をすれば、呼吸がおかしくなることもなくなった。嬉しかった。
少し経つと、子供がたくさん生まれた。生まれたときの体長は10cmより小さい。ちゃんと動けない。
1週間もすると、元気に動き回る。さすがに全部飼えないので、幸せのおすそわけを始めた。
後に日めくりカレンダーに載った子もいた。幸せが広がっていく感じがした。猫の力はすごい。