手が足りない

仕事の締め切りが迫っている時、猫の手も借りたいという感じることがあると思う。
私の場合、猫の手がやってきたら、間違いなく仕事どころではなくなってしまうが。。。
大きなプロジェクトであれば、あと何人かヘルプをお願いするとか打ち手はたくさんある。
小さい場合は、ここだけお願いできる?と仲の良い同僚にお願いしたりする。持つべきは友だ。

でも、ほんの些細なことでは、人に頼ることが難しいこともある。例えば傘をさしている時だ。
スマホをいじるにも、モノをカバンから出すにも、一苦労だ。無理をすると物が壊れたりする。
スマホが大きくなってからは、片手でスマホを持って、もう片方でタッチする必要も出てきた。
特に女性は手が小さいのでその傾向は顕著だ。そんなこともあり、ミニなスマホも登場した。

だいぶ前からスマホリングなるものもある。背面に貼り付けて指を通して使う。片手で操作できる。
指が長くなくても、スマホを把持できる仕掛けだ。手は1つで足りるようになった。素晴らしい。
ネジを閉めたり緩めたりする時も、手が足りなくなる。片手の握力では足りず両手も使ってみる。
でも残念ながら両手分の力をなかなか込めることはできず、結局動かない。手が足りない。

そんな時使うのが、ドライバーボックスに入っている黒いアタッチメントだ。使うと動くことも多い。
ドライバーの持ち手の直径が倍以上に大きくなるので、同じ握力でも回す力が格段に上がる。
スマホリングと同じように、黒いアタッチメントは、小さな「手の不足」を見事に補ってくれる。
職人が腰につけている工具差しも同じだ。いちいち道具箱に取りに行かなくても道具がついてくる。

日常生活をよく観察すれば、いろいろな手が足りないシーン、色々な不自由が見つかると思う。
それぞれの持っている身体能力は異なる。誰もが同じ作業をできないし、したいとも限らない。
それぞれの人がやりたいことをより自由にできる、もっている能力を拡張できる道具を作ってみたい。
大袈裟な装置でなく、ごく簡単な仕掛けで作りたい。自在具とでも呼べばいいのだろうか。