パートナーになるということ

辞書を引くと、パートナーの最初の意味は、「共同で仕事をする相手。相棒。」とある。
では、一緒に仕事をしていればパートナーだろうか。おそらく違う。共同でという言葉がついている。
共同での意味は、「二人以上で一緒に行うこと。二人以上が同等の資格で結びつくこと。」とある。
後者の意味では、上下関係ではなく、互いに尊重し合い、堅い絆で結ばれている感覚が伝わってくる。

パートナーとなるためには、幾つかの要件があるように思える。一番大事なのは目的の共有だ。
何を目指しているのか、もっと言えば何を志しているのかを共有していることが重要となる。
今回の仕事での到達点でも共通認識を持つべきだが、中長期的に目指す方向が同じかが問われる。
これがあると、常に次にやりたいことが生まれ、より強固なパートナー関係が生まれていく。

目的の共有は、思想や哲学といった考え方が共鳴できるかが問われるが、次に大事なのは能力だ。
これは同じであることではなく、違うことが大事だ。違いに自分ができないことを補完できるかだ。
それから、その能力が共有した目的に必要でかつ、ユニークであることだ。貴重でなければならない。
ユニークではないものの幾つかの尖った能力を、絶妙なバランス感覚で使いこなす能力でも良い。

目的、能力ときたら次は対価だ。それぞれの能力をリスペクトして、報酬を払うことが重要だ。
パートナーとして駆け出しの頃は、なかなかメンバーが本当の力を発揮し合うことは難しい。
時を過ごすとともに、次第に素晴らしいハーモニーを奏で始める。価値がどんどん高まっていく。
故に、その価値の高まりに連れて、報酬を上げていくのが理想だ。数倍になってもおかしくない。

もう1つ大事なことがある。それは仕事以外の時間に、いつでもパートナーを意識していることだ。
なにか一緒にできないか、あの能力はこんな仕事に使えないか、これは共通の目的に適うものだ。
これはパートナーと共に取り掛かる仕事を増やしたり、取り掛かった仕事のスピードを高めたりする。
良い仕事をするには多様な能力が必要だ。パートナーを少しでも多く、そして深く創っていきたい。