提案のあり方

世の中には2つのタイプの提案があると思う。確立済みの手法論を売る場合と、一緒に創る場合だ。
買い手が自らのやりたいことが明確な場合にマッチするのが前者だ。不足している部分を頼む。
自分たちの持っていない技術やネットワークなど、高い専門性が自社にない場合に使うのだ。
後者は、ボワッとしたやりたいことがあるものの、具体的なイメージがない場合に必要となる。

いずれにせよ、生み出さなくてはならないのは、経営や収益へのインパクト、費用対効果だ。
通常、小規模な改善を除いては、企画し、活動を起こし、利益を生み出すまでには時間がかかる。
長期間の請負なら利益が出るまで見届けられるが、短期なら活動開始までにインパクトがいる。
当事者がどれだけ迷いなく進めるか、その先に利益を生み出せるという感覚が生めるかが勝負だ。

確立済みの手法論の販売であれば、その手法論をやり切るまでがプロジェクト期間の場合もある。
よって、この期間で、この手順で、ここを協力して貰えば、経営インパクトが生めると提案する。
社内人材に、手法論を伝授して欲しいと、人づくり中心でやる場合は、能力向上がインパクトだ。
インパクトは計り易く、同様のサービスもあり、他社比較も容易なため、対価を決めやすい。

一方、一緒に創るタイプの提案書は、やりたいことを創り出すので明確に手法論は決まっていない。
ヒアリングをして、咀嚼して、視野を広げて、真の目的と具体的な活動を紐づけていくと提案する。
このプロセスを何回か回す中で、やりたいことの世界観を具体的なイメージに落とし込んでいく。
顧客から依頼された範囲よりも広くその会社を見渡し、やりたいことを軸に具体を束ねてインパクトを出す。

常に持つべき感覚は、「真の目的は何か」と「その目的に貢献できる具体は何か」の2つだ。
真の目的に向かった具体を束にしていくと、真の目的、そのメッセージは社内にも社外にも伝わる。
この状態を生み出して、社内が自律的に動く、社外から協業の依頼が来る。これがインパクトだ。
一緒に創るタイプの提案の需要は急速に増加中だ。ブレない活動を生み出した事への対価を提案していく。