利益の生まれ方

コンサルティングやシステムエンジニア、人材派遣など多くの職業は、人月商売と言われている。
時間単価いくらの人が、何時間働いたかで、売上が決まる。だから稼働率が売上の多寡を決める。
もちろん、時間給与よりも顧客から頂く時間単価の方が高いが、稼働率が下がると利益はでない。
つまり、会社に仕事が沢山入ってくれば、全員の稼働率が高まり、収益が上がるという構図だ。

通常、時間単価は人のスキルレベルの高さで、段階的に設定する。数倍の開きが出ることもある。
もちろん時間単価の高い人は給料も高いが、その人の稼働が上がれば概ね収益額は上がっていく。
それから注意が必要なのは、過ぎた時間の稼働率は後から高めることができないことだ。
1日の8時間だとしたら、過去に使えなかった時間は、当たり前だが後から取り戻すことはできない。

稼働率は将来を高める努力しかできない。年前半の低さを、年後半で挽回するのは至難の技だ。
年平均60%を実現したい場合、年前半が40%なら、年後半は倍の80%にしなければならない。
だから、これは気合いでどうなるものではない。60%の稼働率を日常にする努力がいる。
何より大事なのは、仕事の待ち行列を作る努力だ。見込み顧客と仕事のリストといってもいい。

少し奇妙な言い方だが、その行列に並んで仕事の開始を待つ顧客をがある程度いることを目指す。
でも、もちろん退屈で並ぶのをやめてもらっては困るので、待っている間も満足してもらいたい。
仕事が本稼働した時に担当する人は空いてないから仕事を始められない。でも空いている人もいる。
これから始める仕事の中で、そうした人でもできることを事前に始めれば、不満は溜まらない。

事前の資料集めなどは可能だ。顧客の資料なら事前にリクエストしておけば、開始時がスムーズだ。
また、顧客の別案件で手伝えることがあれば手伝ってもいい。この場合、時間単価を下げてもいい。
空いている稼働で、顧客のことをより深く知るきっかけや感謝を頂けるきっかけにもできるからだ。
利益の多寡に一喜一憂しない。利益は顧客の満足が周り回ってきた結果だ。待ち行列を作ろう!