だいぶ前から人や企業に寄り添いたいと考えてきた。コンサルティングをする中で必然性を感じていた。
もちろん、本当に四六時中、側に寄り添うわけにはいかない。そもそも邪魔になる。時間もない。
でも、できるだけ事業の部分ではなく活動の全体像を掴もうと努力する。時間を追って背景を探っていく。
日常で大事にしていることは何か。どうやって今の事業をここまで育てあげたか。過去から現在を妄想する。
1日単位、週単位、月単位、年単位で感じてみる。職種や職位の違いもみる。色々なことが見えてくる。
事業が大きくなったのには理由がある。その理由がどんな形で今に息づいているかが見えてくる。
規模があがると、バラツキが生まれている。うまく日常にその理由を体現できていないケースが出てくる。
うまくできている人と、日々に忙殺されその理由をどこかに忘れてきてしまう人がいる。もったいない。
良いバラツキもある。それぞれが個性を発揮して、その理由の自分なりの解釈で新たな技を作っている場合だ。
夫々の人がターゲットとしている顧客にあった調味料が効くことになる。特定の顧客の満足が深まる。
でも、ここにも「もったいない」がある。生み出された新技が砂に撒いた水の如く消えていく。
誰にも伝わることなく、それぞれの人の頭の中だけに、溜まっていく。次の掛け算が起きない。
人はめんどくさがる生き物だと思う。そして、自分の記憶をうまく操る技も持っているように思う。
何故かわからないけど、今使いたい記憶を頭の中から的確に引き出すことができる。凄技だ。
だから、自分が引き出しやすくするための整理しかできない。故に、人と共有しにくい状態になる。
でも、チームや組織の力も一方で信じている。阿吽の呼吸という言葉すらある。もっとできるはずだ。
人や企業に寄り添う、つまり深い理解を実現するには、間違いなくチーム力、組織力が必要だと思う。
特に、人や会社の生涯を意識したり、沢山の人や企業を幸せにしたいと考える時はなおさらだ。
使いたい情報が多くなる。使いたい技が多くなる。技を使う頻度も上げたくなる。一人でできるわけがない。
幸いにも今はデジタルというツールがある。工夫次第でめんどくさくない意識共有を組織で実現できるはずだ。