新事業の量産

シリアルアントレプレナー。
いくつもの企業を続けざまに立ち上げる人。
そして、しばらくすると個人投資家、エンジェルにもなっている。
イーロンマスク氏もその代表例。その構想力を武器に人を惹きつけている。

大企業には、シリアルアントレプレナーという存在がはまらない。
事業量産職人という言葉が似合うと思う。
大企業の中に眠っている人、モノ、金のリソースを掘り出して、事業を仕立てる。
それも、幾つもの事業を同時多発的に仕掛ける職人だ。

一番必要なものは、構想力。妄想力と言っても良い。
事業を量産というからには、構想や妄想はその何倍かの数が必要だ。
108の構想・妄想からスタートしてはじめて、数十の事業の可能性が生まれる。
あまり関係がないが、「アイディアの数」でトライすべきは108。煩悩の数だ。

事業量産職人は、構想を素早く事業に仕立てていくプロだ。
構想の具体化では、構想に登場する人すべてを洗い出す。
これまでのように、物を作って、お客さんに売るといった1対1の関係ではない。
三方よし、四方よし。登場人物すべての満足総量、価値総量の最大化という面の考え方だ。

社会を切り取るという感覚にも近い。
切り取った社会で、今ある秩序から新しい秩序、価値総量の高い秩序を生み出していく。
構想を具体化したら、あとは社会実装だ。実装に貢献できる能力を社内外から集めてくる。
事業量産職人は、各人の能力を見極め、人の組み合わせをも操る。百戦錬磨の監督だ。